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第4話 ③

ผู้เขียน: アイさん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-12-12 18:56:13

「エバルフさんの悪魔化が…解けたぞー!」

「「うぉぉぉ!!でかしたぞお嬢ちゃん!!」」

エバルフの悪魔化が解けたことで部下たちは喜び叫んだ。

グレンはミーナがエバルフの悪魔化を止めれた事を未だ信じられないのか唖然としていた。

「信じられんな…ただの人間が悪魔化を阻止するなど…」

(まったくだ…てめえですら悪魔化を阻止できた事ねえのによぉ)

グレンの悪魔もグレンと同じくミーナの行動を感心した。

「…何てことだ…あの人間の悪魔化を…」

悔しそうな顔をしながらブツブツ独り言のように喋るロフィス。

そして一気に顔の表情を強面に変えて。

「よくも俺達の計画を…3年かけたこの計画を無駄にしやがったな…許さん…許さんぞぉぉぉ!人間どもぉぉぉ!!!」

ロフィスの声の大きさに全員再び戦闘体制に入ろうとした時。

「…!?…ガァッ!…」

ロフィスの指先から出た一筋の光線がエバルフの胸を貫き、エバルフの体は地面に倒れこんだ。

「エバルフさん!おい、ロフィス!いい加減にしろてめぇ!」

「いい加減にしろだと?こっちのセリフだクソ人間…。3年だぞ…こいつを悪魔化させんのにどれだけ苦労したか…許さんぞ。お前ら全員皆殺しにしてやるよ!」

ロフィスの腕と顔が変形し始めた。

黒い体は普通の悪魔と同じだがロフィスの変異は普通の悪魔と違い人間の面影を残したまま腕と顔が黒く変異し、髪は茶髪のままだった。

「あの人も悪魔の姿に…」

「落ち着けミーナ。危険だから後ろにいてろ。」

その姿があの時のシェスカと重なって見えたのかミーナは怯えていたがグレンに言われてエバルフの部下達の所に移動した。

そしてグレンはロフィスの方に再び顔を向け。

「…とうとう本性を表したな…」

「殺してやるよ…この姿にさせた事、後悔するがいい!」

まず最初に動いたのはロフィスだった。

ロフィスの怒りは極限状態なのが周りにも伝わってきて戦ってもいない部下達の何人かは反射的に一歩下がった。

ロフィスの拳がグレンの顔面を狙ってくるとグレンは大剣の剣脊でそれを受け止めた。

キィィィン!!!

金属同士がぶつかる音が鳴り響く。

「(こいつの拳は金属類に匹敵するのか!?大剣でガードしたのにビクともしねぇ!)」

しかしロフィスはグレンに考える間を与えず防がれたと分かった直後瞬間移動で一瞬でグレンの背後に移動する。

「遅いな!」

ロフィスは背後に移動した時に腰を右にねじると一気に逆方向へ回旋させ、右足でグレンを蹴飛ばした。

ちょうど下腹に直撃し、グレンはそのままの勢いで壁に激突した。

「ぐっ…なんて威力だ…」

グレンは蹴られて血が出ている下腹を抱えながら苦しい顔でロフィスを見た。

「言ったはずだ。俺は悪魔よりも上の獄魔だってよ。さぁ、お前はもう内臓のいくつかを潰した。死ぬのも時間の問だ…」

「誰が死ぬだって?ー反(リバース)魔法ー!」

すると蹴られた下腹の傷がどんどん治っていき、痛みが無くなると抑えてた手をどけた。

「残念だったな。これで潰れた内臓も修復して体力も回復した。」

そして再び剣を構えるグレン。

「これ以上お前と遊ぶつもりはねえ。ー黒炎よ、我に力を分け与えよー」

するとグレンが立ってる地面に黒い魔法陣が表れ、そこから黒炎が発生するとグレンの全身はその黒炎に纏われた。

全身を纏った黒炎はまるで死者を苦しめる地獄の業火のように燃え盛り、初めて見たエバルフの部下達は見てるだけで吐き気が出そうになってる者がいた。

「それが悪魔と契約して手に入れた悪魔殺しの炎か。確かにこの炎はまともに浴びると死ぬな。」

「安心しろ。熱さを感じる前に殺してやる。」

そしてグレンとロフィスは同時に瞬間移動でその場から消え、2人同時に同じ場所に移動した。

グレンは黒炎を纏った大剣を横に振ったがロフィスは再び瞬間移動でかわすと大剣は目の前にあった建物の壁を横一直線に斬りつけた。

そしてロフィスは再びグレンの後ろに移動すると今度は爪を伸ばして胸を貫こうとした。

「貰っ…」

ガッ…!!

「ブフォ…!」

ロフィスは爪で刺そうとした瞬間グレンは大剣を握っていない右腕の肘打ちでロフィスの上顎にヒットした。

鼻からボタボタと血が流れて判断が鈍ったロフィスを今度は光属性の魔力を右足に纏い、体を右回転させると背後にいるロフィス目掛けて高速の蹴りをお見舞いする。

ロフィスに当たった瞬間ロフィスは反対方向の建物に激突し、建物はその威力によって半壊した。

「…すごい、これが…紅の悪魔祓いの力なのか…ゲホゲホ!…」

「…!?エバルフさん!起き上がらないで下さい!」

さっきまで瀕死状態だったエバルフは起き上がろうとすると血が喉に詰まっていた咳き込むと血が出てきて部下は慌てて止めに入る。

飛ばされたロフィスは半壊した建物からゆっくりと現れると口から黒い血を吐き捨て、肩をコキコキ鳴らした。

「この力はもはや悪魔の域を超えてやがる。獄魔…いや、あいつの中にいる奴はそれ以上かもしれん…」

「何1人でブツブツ言ってる?」

そしてグレンは光の移動系魔法によって一瞬でロフィスの目の前に詰め寄り、再び高速の蹴りを入れようとした。

しかし、ロフィスは蹴りが来ることを分かっていたのかしゃがんでかわし手のひらに黒い魔力の塊をグレンの腹にぶち込んだ。

「ぐっ…」

「…だが、いくらお前が強くても動きは単調すぎるから予測しやすい。」

そして瞬間移動でグレンの背後に表れ再び黒い魔力を作った。

グレンはそれに気づいて避けようとしたがまたまた避ける方向が分かっていたのかその方向に移動し顔面に塊をぶち込んだ。

「そっちに避けることも想定内だ。…おっと、逃げんなよ!」

距離を保とうとしたグレンは瞬間移動でロフィスから離れるがロフィスもその場所に移動し、同じように魔力の塊を腹めがけてぶつけた。

「ぐはっ…!」

「どうした?こんな程度かよ!ホラ!ホラ!ホラよ!」

グレンはロフィスの両手から生産される何発もの魔力の塊をぶつけられた。

そして最後の塊を喰らうと膝を地面につけた。

「紅のやつが押されてますよ!」

「…ロフィスの予知能力か。さっきから紅は攻撃を避けようとしてるが動きを全部ロフィスに読まれてやがる。」

「その通り!俺の予知能力は120%の確率で当たる。ただ、1分程度先の未来なら何度でも見れるが1年以上先の未来は一瞬しか見れない。…3年前も…」

ロフィスは自分の能力をエバルフ達に一通り解説するとエバルフの方を向きながら言った。

「…お前が悪魔に堕ちた姿も見た!」

「…なん…だと?どういうことだ、ロフィス!?」

「どういうも何も、そのためにわざわざ俺はお前の故郷に悪魔を送り込んで襲わせたんだよ。そして、悪魔をを殺してるように見せかけて俺が……」

一呼吸おいた後ロフィスはとんでもない事を口にした。

「…俺が…お前の妹を殺した!お前を絶望させるためにな!」

そう言うとロフィスの体は獄魔の姿から3年前にエバルフの妹を殺した悪魔祓いの姿になった。

ロフィスが変身した姿に全員驚きを隠せなかったがこの中では1番エバルフが驚き、途切れ途切れに口を開いた。

「お前は…あの時…の…」

「ふっ…その通り。俺こそがお前の妹を殺した悪魔祓い…否、このロフィス様だよぉ!おいおい、そんな顔したらまた…絶望させたくなるじゃんよ!」

ロフィスは最初の方だけ悪魔祓いの真似事をするがロフィスと名乗る部分から素の自分を出して喋った。

エバルフの頭の中には3年前のあの妹と部下を殺された光景が蘇り、目の前が真っ暗になった。

「あはははは!そうだ!お前ら弱い人間など絶望し悪魔化すればいいのだ!」

「弱いのはお前らだ、クソ悪魔!」

あざ笑うロフィスを斬りつけようとするグレン。

ロフィスはそれを瞬間移動でかわした。

「弱い?俺たち悪魔がか?笑わせるな!そういうのは俺に勝ってから言いやがれ!」

再び2人は戦いを始めるがロフィスはグレンの攻撃パターンを予知できるため戦いは圧倒的にロフィスが優勢であった。

「まずい、ロフィスのやつが押してるぞ!」

「このままじゃ紅のやつ負けるぞ…!」

「安心しな!こいつを殺したら次は何の役にも立たんお前らを殺してやるからよ!」

ロフィスは部下たちの言葉が耳に入ったのかグレンの攻撃をかわしながら返答する。

そして瞬間移動で避け続けてると急によけるのをやめてグレンのみぞおちに肘打ちを食らわす。

「グオッ……!」

あまりの痛みに腹を抱え込んだ。

そんなことはお構いなしにロフィスはグレンの後頭部を踏みつけた。

「ヤバイ!紅がやられてしまうぞ!」

「このままじゃ俺たちも…!」

エバルフは絶望していた。

ー俺は、俺は結局何も出来ないのか…?

本当に自分でも情けない。やっと妹の仇が目の前にいるのに……目の前の敵が強大すぎて……怖くて立ち上がれない。

あぁ、本当に情けない。

やはり、このお嬢ちゃんの言う通りだな。

こんな弱い騎士、いない方が……。

「エバルフさん…エバルフさん!」

気落ちしてるエバルフの目の前で女の子が呼ぶ声が聞こえる。

「…お、お嬢ちゃん…!ど、どうした?」

「どうしたじゃない!グレンがやられそうなの!お願い!力を貸して欲しいの!」

ミーナは目に涙を浮かべながらエバルフに助けを求める。

しかし、エバルフは。

「…すまない、俺は…俺には人を守ることが出来ない。どうせ俺が行ったからって何も変わることはない。ロフィスの予知能力で俺に気づいて殺されるだろう…そんなくらいならいっそのこと……」

パァァン!

その瞬間、周りに乾いた音が鳴り響きエバルフの頬に痛みが走った。

ミーナがビンタしたからだ。

12騎士長がまさか一般の人に殴られるなどと思いもしなかったのか部下たちは目が飛び出るくらい驚いた。

「何言ってるのよ…今この最悪な状況を変えなければみんな死んでしまうのよ!?」

「…だから俺が出ても助けられ…」

「それに、もしここで死んでも妹さんは喜んではくれませんよ!あなたの言っていたヒーローは何もしないまま死んだのかって思われるだけです!」

「………」

何も言わないエバルフにミーナは最後に言った。

「…お願いです…もうあなたしかいないんです!」

その瞬間のミーナが妹と重なって見えたのか胸が熱くなった。

ヒーロー!騎士団カッコいい!!

こっ、この声は…

昔妹が言った言葉が脳内に蘇った。

ー……ありがとう、妹よ。お兄ちゃん今からカッコよくなるから天国で見ててくれよ!

そしてエバルフは右足付近に置いていた剣を再び持った。

「おらっ!どうした?もう終わりか…大した事ねぇな!」

「ぐっ…ガァァ!!」

ロフィスは地面に倒れているグレンを容赦なく踏んづけたり腹を蹴ったりしていた。

「あーぁ。もう飽きちゃったなー。」

するとロフィスは黒いローブを着た悪魔祓いの姿から獄魔状態のロフィスに変異した。

「反抗してこなきゃ楽しくねーだろーがよ!」

ロフィスはさっきよりも発達した足の筋力で腹を蹴っ飛ばし、グレンの体はゴロゴロと勢いよく転がっていった。

「(くそっ…このままじゃ…)」

「そろそろ止めだよ…じゃあねー」

ロフィスはグレンの顔を踏み潰そうと思い切り右足を上げた。

その瞬間、ロフィスの周りに突風が発生した。

「…なっ、なんだ!?」

シュパッ!

「うっ、うわぁぁ!!」

その突風の風圧によって鎌鼬が起こると体を支えていたロフィスの左足を斬ったためそのまま地面に転倒してしまった。

「なっ、なんだこれは!予知できなかった…一体誰がやりやがっ…。」

その突風を起こしたのはロフィスから少し離れた位置から剣を握って構えている男。

ー12騎士長のエバルフ・シュロン。

その周りから出るオーラは憎しみと復讐に囚われていたあのエバルフではない。

仲間を死ぬ気で救うヒーローの姿であった。

「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

そして風魔法で瞬発力とスピードを底上げし、ロフィスに迫る。

そして倒れたロフィスの胸を自分が持ってる剣で地面ごと突き刺し、身動き出来ない状態にする。

ロフィスの口から大量の黒い血が吹き出た。

「ごっ…がぁ…なぜお前ごときが…俺を…」

「今だ、紅の!」

膝をついてたグレンはエバルフが作った最高のチャンスを機に立ち上がると拳の上に魔法陣を発生させた。

「人間にしちゃ上出来だ!」

そして魔法陣を発生させた状態の拳でロフィスの顔面を殴りつけた。

そこから勢い良く黒炎が発生し、ロフィスは動けないままもがき苦しんだ。

「ぐぁぁ!…ぁああああああ!!この…俺が…悪魔祓いだけでなく…人間に…やられる…と…は…予想外…」

どんどん燃えてチリになりかかっているロフィス。

するとエバルフは言った。

「お前は俺を弱者と判断し、反撃する事を想定してなかった。それが仇となって予知できずやられた。なんでも思い通りになると思うな、悪魔め。」

「…くそ、こんな…こんなァァァ!!…」

そしてロフィスは燃え尽きてチリになっていった。

「グレン!」

ロフィスが消えると離れていたミーナは全身傷だらけのグレンのそばにかけつけた。

「別に何ともない。俺はこんな程度じゃ死ぬことはない。」

「分かってるわよ、そんなことあなたと一緒にいれば。ほら、手当するわよ!」

「いいって言ってるだろ…ったく、おせっかいな女だ。」

「おせっかいで結構よ。ほら、顔だして!」

手当しようとグレンの顔を自分の方に向けるミーナに鬱陶しく感じるグレン。

その光景を見て2人が可愛らしく思えたのか部下たちはクスクスと笑う。

しかし、エバルフは戦いが終わっても浮かない顔をしていた。

ー妹よ、今の状況を天国で見てるならどう思ってるだろうか。俺はこれで良かったのか。憎しみを糧に生きていた俺はこれから騎士団にいてもいいのか。

っと心の中で思っていたエバルフ。

「お兄ちゃん、カッコいい!ヒーローみたいだよ!」

「…え?」

エバルフは声が聞こえて振り返った。

「…気のせいか…今一瞬妹の声が聞こえたような…」

ーお兄ちゃん!騎士団頑張ってね!

再び声が聞こえたが今度はエバルフの脳内に響いた。

この声は、やはり妹なのか。

しかし、どこからも声が聞こえない。

もしかしたら天国から話しかけてる…わけないか。

しかし、それに返事するようにエバルフは心に念じかけた。

…そうだな、…お前に言ったようにお兄ちゃん、ヒーローのような騎士団に近づけるよう頑張るから。天国から応援頼むぞ!

心に念じても妹からは返事は返ってこないがエバルフの妹は天国でこう思ってるはずです。

「頑張って、騎士団(お兄ちゃん)。」

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